18日、ステンド・グラスが入った長細い木箱を持って上京。暑い。バイトが休みのムスコが新宿まで迎えに来てくれた。2ヶ月ぶりに会ったが元気そうである。サックスを吹くせいか、ますます頬が膨れている。昼食後に北千住へ行き、早速取り付け。ムスコに手伝わせてササッと取り付け完了。ステンドを運んできた木箱と送っておいた工具を宅急便にて送り返す。
17時前にはドクトル・イタバシもお店にやって来てガシガシと飲み、且つシェフのカンベ君の作る創作イタリアンを次々御馳走となる。彼の創る料理はどれも本当に美味しい。酒に弱いムスコは途中でダウン。全くだらしない奴だ。
酔ったムスコのマンションに行くが、部屋は楽器だらけの上、ちらかり放題。学生時代を思い出す。銭湯に行ってからワタクシはベッドで、ムスコは床の上の楽器の隙間で寝袋で寝る。
19日。起きてから先ずムスコの部屋の片付けを監督。盛大に洗濯もしていた。今日は晴れて気持ちよい。新宿に出て山道具屋を覗いてから、魚を食いたいというムスコに、夜はもっと旨い魚を食わせる店に連れて行くからと、昼飯は回転寿司に入るが、さすがに東の都、結構旨い。その後、釣りをしたいというムスコのリクエストに応えて、阿佐ヶ谷の釣り堀に行くことにする。阿佐ヶ谷はワタクシが4才まで住んだ町である。駅から北に20分位歩いた早稲田通り沿いに家があり、4才位まで住んでいたが、当時、隣はまだ牧場で牛も馬もヘビもいた。よく馬に乗せてもらった。東京23区生まれだからシティー・ボーイのつもりだったが、考えてみればどうもカントリー・ボーイであったようだ。
で、阿佐ヶ谷駅から3分、マンションに囲まれた一角に釣り堀がある。ここは大正13年から85年続く都内でも珍しい釣り堀である。ワタクシも小学生の頃からよく通った。学生時代にも阿佐ヶ谷でバイトをしていたので時々行った釣り堀である。昔の半分位の池面積となったが、駅から3分でこのような所が今時残っているとは何とも懐かしく、まるでタイムスリップしたようである。金魚釣りを2時間やる。練り餌を付け、ポカポカと暖かい日差しを受けながらウキを見つめるのだが、何とものどかである。但し金魚であってもこの釣りは結構難しい。へら鮒ほどではないが、普段、川釣りしかやらない我々からすると金魚の微妙なアタリはどこで合わせるのかイマイチこつが分からない。それでもお互い20匹位釣る。
釣り堀を出てもまだ15時前であった。今度はワタクシの育った吉祥寺に出て、何軒かのジャズ・スポットの場所をムスコに教えたり、花屋の『4匹のねこ』でユウチャンにムスコを紹介したりした後、銭湯に浸かる。3日に一度の銭湯で、後はマンションの狭い風呂場でシャワーで済ましているムスコは二日続けての銭湯に喜ぶ。
17時、旨い魚を食おうと開店直後の『おどり』に入る。この店は昔は三鷹にあったのだが、10年ほど前に吉祥寺に移った。魚も旨いが揚げ物、焼き物、煮物も旨い店である。風呂上がりの生ビールの後、『八海山』で旨い刺身を次々に喰らう。心地よく酔ってから高円寺に戻り、喫茶店に入った後、夜の高円寺商店街をぶらつく。古着屋で洒落た色合いのシャツをムスコがプレゼントしてくれる。
20日。07時からのバイトにムスコが出掛けた後、本やCDを少し片付けるも、どうも腰が痛い。ギックリ腰の予感。これはヤバイと早々に部屋を出て、新宿発09時20分のバスにて帰って来る。