一昨日だかに梅雨明けの発表があったが、雨もろくろく降らぬうちに終わり、どうも本当に夏になったようだ。昨日は午後から長袖を脱ぎ、アトリエの窓を開け、半袖・半ズボンで過ごした。
初めての東の都の夏を経験するムスコは、バイト先での労働に加えてこの暑さで12Kgも体重が減ったと電話してきた。ガンバレ、都の夏は地獄だぞ!
いつの間にか甲斐駒の谷筋の雪も消え、岩肌も緑になっていた。八ヶ岳の上には夏の雲が掛かっている。
そう言えば今週末には村民登山のガイドで登らねばならない。今年は村民30数名の人気である。
例年頼まれる学校登山ガイドだが、今年は小学校2校、中学2校のガイドを断り、地元小学校のガイドと村民登山のガイドだけを引き受けた。丁度日程変更が難しい上に検査後数日はおとなしくしてねばならぬ内視鏡検査の日にぶつかったりの諸々の事情もあるのだが、学校の年間スケジュールが春には決まっているのに直前になって依頼してくることが気に掛かる。学校登山を「行事」として毎年行っている学校ではマニュアル化していて、引率教師に危機管理意識が年を追うごとに低下しているように感じる。小学校で50〜60名、中学では120名近くを連れて八ヶ岳に登るにはガイドが付いていたとしても、教師それぞれが「危機管理意識」を持たねば恐ろしい。ある中学で配られた「登山計画書」は前年の丸写しで、恐れ入ったことに年度も日付も前年のまま、生徒の名簿だけを変更したものであった。また、ある小学校登山では急に雷雨に襲われて急いで下山中に生徒同士が喧嘩を始めた。それを見た若い教師が「はい、誰々君の言い分は、はい誰々さんの言い分は」と隊列を止めて言い出した。既に近くに落雷音がしているのにである。教師が忙しすぎること、公立だと教師の移動が多いことからどうしてもマニュアル化してしまうようだが、それ以前に、何と言っても学校や教師の「危機管理意識」の低さが由々しき問題だと思う。
昨年急死されたミツルさんと共に10年近く前に学校登山の立ち上げに関わった地元小学校では必ず下見登山に引率教諭全員とガイドが同行して、歩き方、歩行スピード、休憩の仕方、トイレとする場所の確認、地図上の現在地の確認等を教え、1ヶ月前には親を集め、装備や服装、食料・水分の量、等の説明会を行い、山好きな親をボランティアとして募集、実施1週間前にはボランティアの親とガイド、教師で隊列の編成、点呼の方法、危急時対応の説明等を行うようにしている。この他、障害を持った子供がいる場合は頂上まで行けなくとも、充分安全と判断される所まで教師・ボランティア、時によってはガイドを1名手配し、本隊には最低でも先頭と最後尾にはガイドを置くようにしている。自然相手にどれだけやっても完全なんてことはないが、少なくとも何十名もの子供を引率する上での「意識」を持ってもらうには必要な事だと思っている。