もう明日から8月というのに相変わらず変な夏が続いている。山口県や島根県では集中豪雨で大きな被害が出ているが、こちらでは時々降りはするが大した雨量ではなく、川の水は少ないままだ。サイワイ気温は家の中にいればさして暑いとは感じず、半袖・半ズボンで丁度良いし、夜は布団を被って寝ている。
お犬様ことダリは夏になって比較的元気を取り戻したようだ。足はやはり弱ってきていて、散歩の途中で時々コケルがこれはもう仕方ないようだ。それより変わったのは「威張る」ようになったことである。一時は鳴き声も「ヒィー、ヒィー」と弱々しかったのが、最近は「ワン、ワン」と大きな鳴き声を出せるようになったのはメデタイことであるが、ワタクシが家の中で靴下を履こうとしていると、昔のように「ワン、ワン、散歩!・散歩!、嬉しいな」ではなく、明らかに「ワッン!ワッン!早くしろ!なにぐずぐずしてんだ!このウスノロめが!」に変わった。威張ってやがる。まるで「あんさん歳なんぼ?エッ、まだ61才。ほなワテより年下だったんかいな。アホらし。なら今日からワテが大将や。」と恐ろしいことに気付いたようだ。突然の下克上である。
散歩中いつまでもテリトリーの臭いを嗅いでいる時など口笛を「ピッ!」と吹けば慌てて走り寄って来ていたのが、「ピッ!」とやっても聞こえないふり。「ダリ!」と呼ぼうが知らんぷり。夕方、クッキーをやっても1時間もすると「ワッン!ワッン!早くクッキーだろが!このウスラバカ!」と鳴く。まだ目も大丈夫、耳も聞こえているし、歯に至っては時々煮てやる牛骨を噛み砕いている。まだ食ったことを惚けて忘れているわけではなさそうで、惚けを装った因業オヤジとなったようである。まるで向田邦子の『だいこんの花』の艦長こと森重久弥である。
昨晩も「ワッン!ワッン!もっとクッキーだろが!このボケが!」と鳴きやがるから、家の中から睨みつけて「うるさい!この因業オヤジめ!」と怒鳴ったらすごすごと小屋に引っ込んだ。
どこぞのミニ独裁者がうかれて「憲法改正」だの「教育改革」だの「道徳教育」だの言い出すから『犬』まで浮かれやがって!