17日からムスメと二人で東の都に上る。ムスメが興味を持つ秋田銀線細工・現代の名工である進藤春雄氏が、渋谷の東急東横店で『名人たちの仕事展』に出店しているというので学校をサボっての上京である。ムスメはこの銀線細工に興味を持っているのだが、実物は田舎ではそうそう見られず、沢山の作品をみるのは今回が初めてである。ムスメと手紙をやり取りしていた進藤氏御夫婦がニコニコと迎えて下さる。それにしてもその繊細な仕事に驚く。細い線は0.3mmの銀線を撚って作られる世界である。とつとつとその仕事の大変さを語って下さる。
夕方、バイトの終わったムスコと落ち合い、夕食後、ムスメはホテルへ、ワタクシはムスコの部屋に泊まる。相変わらず汚い部屋である。
18日は午前中、ワタクシは自分の仕事で歩き回り、午後バイトの休みのムスコと三人で再度進藤氏を訪ねる。ムスメは今度は秋田の仕事場を訪ねる約束をした様子である。
田舎者三人、都の人混みに疲れ果てる。ムスメに「あれが渋谷109だぞ。寄るか?」と聞くと「全く興味ない!」とのこと。マトモである。早い夕食を済ませて、早く寝る。
19日、都も寒い。セーターを持って行っていて助かる。午前中、『東京都現代美術館』でやっている『TOKUJIN YOSHIOKA Crystallize』を見に行く。彼の作品は一度見たかったし、ムスメにも見せておきたかったのだ。
3日目の都は疲れていて、現代美術館の階段が辛かった。
その後、直ぐ近くの雲光院に寄り、ワタクシの作品を見せる。ムスコは昨年見ているがムスメは初めてである。二人ともまだ生まれる前の作品である。法事で忙しい住職も顔を見せて下さり、コーヒーを御馳走になる。
重い足を引きずり、深い深い地底の大江戸線に乗り、新宿で地上に這い上り、バスで二人とも爆睡しながら帰ってくる。初めてのムスメとの二人旅、大いに疲れた。