午後のダリ散歩でこちらも気になっていた欅の木というか根っこを見に登る。回り道をして上から下ればよいのだが、それも面倒である。
陽当たりのよい斜面で雪は融けているが、崩落のあった急斜面で、長靴を蹴込んでもズルズルとおっかない。4駆のダリはスタスタ登っていくが、浮き石なんぞを落とされたらかなわない。石のフォールラインを避けて回り込んで灌木をつかみながら強引に登って行ったら、最後はりっぱな鹿道に出て難なく緩斜面にある『木』に到達した。
昨日の『木』が『人生の悲哀』だとしたら今日の『木』はさしづめ『人生の苦悩』であろうか。根っこが大きな岩にでもぶつかって思うように延ばせないままに成長も止まって、崩落によって根っこが現れたのであろうか。漬け物石くらいの大きさの石をいくつか抱き込んでいる。裏に回って見たら、倒れたクルミの木の根も抱き込んでいる。凄まじいというか・・・
午後3時過ぎというのに陽だまりで暖かい。倒木に座ってこの『木の苦悩』を想いながら一服していたら、ダリはさっさと下って下の雪の中を転げ回って遊んでいる。まったくデリカシーのない奴である。