一昨日から西の都に続いて東の都に上る。ゴーダ様邸へのステンドの取り付けであるが、2〜3日前の予報では『雨』となっており、ステンドの取り付けには湿気が入ってマズイかなと心配していたのが『晴れ』。朝6時半頃に出て途中1回の休憩で9時半頃にほぼ完成したゴーダ様邸に到着。ゴーダさんは中学・高校のバスケット部の先輩である。中学1年の途中からレギュラーとなり、1年先輩の彼等とチームを組み結構強かった。そうそう思い出した。当時のユニフォームだが、数年先輩にデザイナーの森英恵氏の息子さんがいて、やはりバスケットをやっていた関係からデザインをお願いし、何と出来てきたのがトップレスという斬新なものであった。ちょっと気恥ずかしく下にTシャツを着たりもした覚えがある。
さて取り付けであるが、用意されていた押さえ縁が木製ではなく樹脂であり、おまけに窓枠寸法にカットされていない。幸い樹脂も切れるピラニア鋸を持参していたので切るが、木と違って刃が流れるというか甚だ切りにくい。何とか1時間半ほどかけて内・外8本の押さえ縁を切り、ステンドを嵌め込む。モチーフは奥様の大好きなハワイとハワイの代表的な花『プルメリア』である。最初は葉っぱも入れていたのだが、特徴的な花に較べて葉っぱはどうも面白くない。それにクチャクチャしたデザインはどうも性に合わない。もっとスッキリしたデザインにしたい。そこで『花』と『海』と『光』を表現しようと、海に浮かぶプルメリアを大胆に表現することにした。使いたかったブルーのガラスもやっと手に入り、この夏は試し焼きも含めて20数回窯で焼き付けをしたのだが、御夫婦とも喜んで下さり、ホッとする。
浜田山駅前で美味しいお蕎麦を御馳走になった後、吉祥寺のホテルに入る。ムスコのマンションには駐車場がないので、車の時には不便である。近くの駐車場に2日も駐めるとホテル代より高くなるのである。
先日の『オニノカクラン』以来体調がイマイチのムスコが疲れた顔でやってきたので、先ずホテルの風呂に入れる。その後ちょっと買い物に出たのであるが、休日の吉祥寺は人・人・人である。いい加減疲れてホテルに戻る。夕食を御馳走してやろうと思うが、もう知っている店もあまりない。オニノカクラン以来あまり食べていないが、今日はガッチリ食べたいというので、ホテルのバイキングに連れて行く。ワタクシが生ビールを飲んでいる間にロースト・ビーフに寿司に蕎麦にカニにカレーにと食べること、食べること。ま、もう大丈夫だろう。部屋に戻るも腹一杯で二人とも苦しく、暫く休む。
そうそう、ワタクシがまだ小学校の1〜2年の頃だったと思うが、当時サンフランシスコに住んでいたドイツ人で、オヤジの叔母にあたる太ったハンナ叔母さんが来日した。叔父は既に亡くなり、アメリカ人の大金持ちと再婚したとかの新婚旅行だった気がする。帝国ホテルが日本で初めてバイキングを始めたばかりで、一家で御馳走になったのだが、見たこともない料理が山盛り並んでいてびっくりしたし、隣のテーブルの馬鹿でかい赤ら顔の外国人がムシャムシャ食べる姿に圧倒され、何だか気持ち悪くなってしまった記憶がある。おまけに当時はバナナが超が付く高級品であった時代、ワタクシはバナナばかり食べてオヤジに叱られた記憶すらあるのである。
で一休み後、今度はムスコが少し飲みたいと言い出す。送りがてら駅の近くのチェーンの大衆飲み屋に入る。メニューの値段を見て笑ってしまう。とにかく安い。ま、味は当然それ相応であるが、学生やムスコなどにとっては有り難い店のようだ。ワタクシが学生の頃にはなかった。笑ったのは以前、同じチェーン店で大食い・大酒飲みのガール・フレンドに奢ったそうだが、その店で1万円も掛かって参ったとのこと。「う〜ん、この店で2人で1万飲むのは並大抵ではない」と言ったら「いや、二人というより彼女がその大半を・・・」とのことで吹きだした。「お前なぁ、女性の大酒飲みは男より強いぞ。キヲツケロヨ!」と教えてやる。駅で別れてから爆睡。
昨22日は朝からバイキング。昨夜の残り物のような朝バイキングが美味かろうはずがない。本当にどこのホテルの朝バイキングも美味くない。もう少し考えてよね、と言いたくなる。10時半にミドさんの改装中のマンションに行き、現場を見せてもらう。1㎡くらいのパーティションであるが、ちょっと心配していた光も採れそうで、これなら面白いものが作れそうである。お嬢さんのサミーさんも来てパスタを御馳走になる。
その後所用を済ませてホテルに戻ったら、今日は早く仕事を終えたムスコから電話。高円寺に行きいつもの銭湯に。西の都行きや東の都行きですっかり重くなった腰と、右肩に五十肩のいやな予感をジェット・バスで何回もマッサージ。ムスコはオニノカクランでまた痩せて53.5Kgとのこと。小学生の頃はプクプクだったのだが・・・困ったことである。さて風呂から上がれば生ビールという東の都の至福を味わうべく、いつものモツ焼き屋へ。折角の都で「何だかなぁ」とは思うが、田舎では味わえない好物なのであるから仕方ない。生ビールの次はこれも田舎ではあまりお目に掛かれないホッピーである。JAZZ業界の様々な面白話を聞きながらグビグビと飲むも、ムスコは「俺酔った。気持ちいい」とすっかり出来上がっている。やはりまだ本調子ではない様子。「さっさと寝ろ」といって別れる。ホテルに帰ったらまだ8時だったが、こちらも疲れている。文庫本を数ページ読んだら爆睡であった。
で、今朝は4時前に目覚めてしまう。ホテルの朝はつらい。西の都で早く目覚めた時にはいつも鴨川沿いを散歩するのだが、雑踏の残り香匂う商店街を越えて井の頭公園まで行く気にはならない。どうも上手い散歩コースがない。レストランの開く7時までミドさんのところのデザインを描きながら時間を潰し、シャワーを浴びて一番にレストランに下りる。相変わらずのバイキングにうんざりしながらコーヒーを飲み、7時半過ぎに車で多磨墓地を目指す。お彼岸であるから混むかと思ったが、8時過ぎの多磨墓地は割合空いていた。蚊に刺されてデング熱ではかなわぬと用意周到持っていた防虫スプレーをかけていたら、二人のご婦人が寄ってきて「あのぅ、大変恐縮ですが防虫スプレーをお借りできないでしょうか?今、お墓を掃除しようと思ったら蚊だらけで・・・」というので「半分も残っていませんがどうぞどうぞ」と差し上げる。両親の墓参りを済ませ、府中インターに向かうが渋滞。それでも高速は空いていて11時頃には帰りつく。
やっと西の都と東の都参りが終わる。
夕方、寒くてストーブをつける。