半世紀ぶり

でかい台風18号が近づいていて、2本の川に挟まれている家がちょっと心配だったがカミサンとムスメに「増水が異常になったらさっさと逃げろ!」と言い聞かせて東の都に向かう。

4日(土)。ムスコの部屋に荷物を置いてから二人で武蔵境に行く。ここは17〜8年住んだ町であるが、JRが高架となり小洒落た駅舎となっているのにびっくりする。昔とは全く変わった駅前を少し歩いてから昼食を摂り、住んでいた家のあたりに行って見る。覚えている表札も結構残っている。駅前に戻るがサイワイなことに昔では考えられないドトールまでありコーヒーと煙にありつける。
昔、是政線と呼ばれて、今は西部多摩川線という電車に乗り『多摩』で降りる。ここは『多磨霊園駅』だったと思うのだが。時間があったので、先々週寄ったオクズミの墓に寄った後、
霊園正面入り口に戻る。実はヤマダさんの紹介で彼女の同級生、ということはワタクシの1年先輩のキクチさんの家、門前のお花屋さんに大正時代のステンド・グラスが入っているのだけれど、それが割れていて修理可能か見て欲しいという依頼を受けていたのである。キクチさんには僅かながら見覚えがある。ステンドは1200mm×400mm程のもので、このお花屋さんが出来た昭和3年に、前田家から贈られた物とのことで、由緒正しいものである。IMG_2116(変換後)なかなか洒落たデザインであるし、複雑なカットもある。同じデザインの物が2枚入っているが両方共にヒビが入ったガラス数枚がある。何度か修復した跡もある。年明けにでも外して修理する予定となる。
高円寺に戻るが、どうもムスコは調子悪そうである。疲れが溜まっている様子。栄養をつけさせようと、今日は飲み屋ではなく中華料理屋に入り次々に注文するが、あっと言う間に出来上がって運ばれてくる。決して洒落た店ではないが、こういう下町で中国人がやっている店はなかなかに旨い。生ビールで流し込む。お腹一杯になって部屋で一休みしてからいつもの銭湯へ。帰りにまだ食べたいうムスコに付き合ってラーメンを食す。この夜中のラーメンというのも田舎ではなかなか味わえない悪の味である。爆睡。

5日(日)。本日は小学校卒業50周年の同窓会であるが、朝から台風の影響で凄い雨である。ムスコは熱がある。「本日はおとなしく寝てろ!」と言い置いて昼頃に吉祥寺に向かう。
ちょっと時間があったので会場近くのドトールに入り煙にありつくが、隣の席に座っていた人がムラシマくんだとは気付かずに会場で笑う。またホテルのエレベーターに乗り合わせたスサくんが「オクズミ久しぶりだなぁ〜」と言ったのを聞いて、ちょっと同級生にしては老けたた感じの人が「オクズミくん?やぁ、懐かしい」という。誰だか思い出せない。「誰だっけ?」と聞いたらちょっと困った顔をして「アラフネです」とおっしゃる。しまった、隣のクラスの担任であった。小学校は3クラスで120名程だったが、7割近い人が集まったようだ。クボタくんやコトーダくん、ソウズくんのように時々顔を合わせる人もいるが、年中ケンカしていたフクオくんのように数十年ぶりに、サエキくんなど本当に半世紀ぶりの人もいる。受付で幹事が用意してくれた名札を貰うが、アカボリさんからいきなり「ダリくん元気?」と言われたのには参った。まさかブログを読んでいる人がいるとは・・・である。悪い事は出来ない。名札がなければ全く分からない人が1/3程度か。いや、全く思い出せない人も結構いる。先ず亡くなった同窓生への黙祷から始まるが13名、つまり1割が亡くなっていた。全く昔と同じ顔の人や、全く変わってしまった人、様々である。それにしても80名ともなるとこちらの生活では1年間に会う人の数より多いようなものであるから疲れることおびただしい。
懐かしく話したかった人もいれば、昔からそうでもない人もいる。

そうそう、久しぶりに会った○○くんが「一昨日子供が生まれたんだ」と言う。「孫かい」と聞いたら「俺の子!」とのこと。う〜ん、負けた!お相手は30才下とのことだが、さすが犬猫病院長だけのことはある。まるでダリである!

二次会は幹事が用意してくれていた店でほぼ全員が集まり、三次会は誘われるままに10名ほどでまた飲む。

半世紀、それも田舎の人間関係とはちょっと違った感覚で何となく『浦島太郎』であったが、幹事役の諸兄には全く感謝であった。

本日6日(月)。朝目覚めても大降りである。ムスコは熱は下がったがまだ体がだるそうで、バイトは休む。家に電話してこちらの台風の様子を聞くが大したことはなさそうである。取り敢えずムスコと駅前のレストランに入り朝食を摂るが、ガラス張りの外は段々大荒れとなってくる。都会のビルの間を吹き抜ける暴風雨というのもなかなか迫力がある。とても外には出られそうもなく、暫くコーヒーを飲みながらジャズ業界の面白話しを聞く。10時半ころになって急に雨が上がる。一旦部屋に帰りこちらの様子を聞くと、もう青空が出ているという。『特急あずさ』は午前中の便は運休だが高速バスは動いている。帰る用意をしていたら11時半頃から晴れ間が見えるようになり、13時過ぎのバスに乗り16時に帰り着く。ダリが満面の笑顔で迎えてくれる。川の増水も大したことはなく、既に随分と引いていた。それにしてもクタクタである。

明日は午前中から霧ヶ峰のクヌルプに上りステンドの取り付けである。

この記事は未分類に投稿されました. このパーマリンクをブックマークする。 コメントを投稿するか、トラックバックをどうぞ: トラックバック URL.

コメントする

あなたのメールは 絶対に 公開されたり共有されたりしません。 * が付いている欄は必須項目です

次の HTML タグと属性が使用できます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

*
*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください