『ご近所』

巨大台風16号が接近中で前線を刺激しているのだろう相変わらず雨で時々豪雨となる。

昨日のこと、ヨシジくんのオカーサンと見慣れぬ男の人が来る。こりゃイカン、誰かが亡くなったようだと直感。案の定「タケトシさんのお母さんのケサコさんが97歳で亡くなったの。こちらの方はタケトシさんの弟さんで、タケトシさんが入院中なので喪主を務めることになったの」「オクズミさんは『ご近所』だとエリコさんから聞いたけど・・・」とのこと。前にも書いたが『ご近所』とは大体に於いては距離的な近所であるようだ。何かあった時に『ご近所』が手伝うというシキタリがあるのである。タケトシさんの家と我が家の間には『ご近所』ではない家もあるのだが、タケトシさんが重い病気で入院していた頃、奥さんのエリコさんが訪ねてきて「オクズミさんには主人のお見舞いに来ていただいたりしているし、確か引っ越してきた時にタオルを頂いているから、『ご近所』になって下さいね。」と頼まれていたのである。引っ越して来た時に誰の家に挨拶のタオルを配ったかなんて覚えてもいないし、ましてや頼まれてイヤとは言えない筋の話しなのでお受けしたのである。

で、「明日、19日の夕方6時に必ず奥さんとタケトシ宅に集まって下さい。お葬式の役割分担をします。御見舞(入院治療していたりした時に御見舞に行っていない場合は亡くなってから御見舞を持って行く)は3千円を用意して来て下さい。それから夕食とお酒が出ますので車では来ないように」「通夜は20日。葬儀告別式はJAで21日12時半受付開始」とのこと。夜、ヨシジくんのオトーサンであるヨシアキさんから電話。「明日6時集合と言ったけれどやっぱり色々作らにゃならないものもあるので男衆は3時集合に変更」との連絡。

今回のケサコさんの葬儀告別式はJAの葬祭場でやるので『ご近所』でも大したことはないのだが、葬祭場も無く、無人寺だった10数年前までは誰かが亡くなると『ご近所さん』は最低でも3日間は仕事を休んで夫婦で朝から葬式の用意をしなければならなかったのである。男衆は先ず寺の掃除をして、本堂に様々な飾り付けをし、葬儀で使う切り紙細工を作ったり、葬儀次第を書いたり、墓を掘ったりする。女衆は食器を洗い、食材の買い出し、料理に追われるのである。カミサンは天ぷらを300人前も揚げて、暫くは我が家から天ぷらが消えたこともあったのである。
その点JA葬祭場が出来てからは仕事も一日か一日半休むだけで済み、また寺掃除や料理を作ることもなくなり、ちょっとした切り紙細工だけで、後は告別式の受付やお茶番くらいになったのである。

本日は男衆は3時に集合。切り紙細工で家紋や飾りなどを作り、門前飾り周りに貼り付けるも大雨で飾りが剥がれそうなので、家の中に明日まで置くことにする。タケトシさんも入院中の病院からちょっと抜けてお母上とのお別れにみえるが、直ぐに病院に戻る。

18時に今度は夫婦で改めて伺い、お焼香をする。最近はケア施設に泊まったりでお会いすることもなかったのだが、10数年前は村の配り物などを届けると「ちょっと待ってて」といって自分で作ったジャガイモなどを沢山くれるような優しいお婆ちゃんであった。

葬儀告別式での受付・帳場・お茶番・素麺配膳(この地方では葬儀告別式の最中に遺族・親族に素麺を出す。一本箸で食べる)の役割分担を長を引き受けたヨシアキさんが決める。
後は喪主が用意してくれた酒肴で一杯やって1時間ほどで解散となる。
明日は通夜であるがこれは親族中心で我々は出席しない。
葬儀告別式の朝出棺(こちらでは葬儀告別式の前にお骨にする)するのでお見送りをして、午後から葬儀告別式であるが、台風の進路が気にかかる。

それにしても今年はお葬式が多い。

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