大工のハシさんはここ数日お休み。昨日はオヤジが使っていた部屋や風呂など一階の屋根の押さえ縁のねじ止めを一人でやり、これでほぼ修理というか応急処置完了。後は天窓周りの処理と一部終わっていない屋根の縁の押さえ縁処理で、ハシさんと二人で1日あれば終わりそうである。やれやれでした。ま、来年にでも金が出来たら板金せねばならぬのだが・・・ま、しばらくは雨漏りは防げそうである。
それにしてもデカイ屋根である。300mもルーフィングが必要とは思わなかった。2回追加注文して取り寄せたのだが、宅急便屋に「何やってんの!」とからかわれる始末であった。また最近は釘止めではなく木ネジを使って押さえ縁などを止めるのだが、800本は使った。電動ドライバーの発達のおかげであるが、元々ガラス切りから来る親指の腱鞘炎が一層痛むようになってしまった。ハシさん曰く「釘で止めた場合、錆て強固に固定されるけれど、抜く時のことを考えれば木ネジの方が楽」とのこと。なるほどである。
もう40年前、手作りで最初の家を作った当時は電動ドライバーなんてものはなく、全て釘であった。大工なら1本で済ますところ、素人は抜けちゃいけないと2本、3本打ったり、不安なら更に鉄の補強材などで固定したため、その家を壊す時には重機でもなかなか壊せず苦労したと言われたものである。
この家は古材屋で買った柱材や床材、断熱材などを使った12坪の平屋で、テント生活しながら建てたのだが、何年後かに大工に手伝ってもらい最終的には中二階と二階をその上に増設して36坪になった。暖房効率は最高に良く、小さなサンポットの灯油ストーブ1台で冬中24時間焚いてもドラム缶2本もあれば家中ヌクヌクであった。水道のパイプ埋設も本管から200m程スコップで掘って引いて来た。冬場は不凍栓1本で全ての水抜きが出来、不凍用電気ヒーターなど使わずに済んだ。
おまけにこの家は確認申請もせずに勝手に建てた家であったから固定資産税もかからなかった。街の建設課長なんぞはよく飲みに来ては「俺、この家は見えないから」と見逃してくれた。ノドカな時代であった。
オヤジもアッチに逝き、子供達も一応巣立ち、今の家はカミサンと二人ではどうにも大き過ぎる。もっとシンプルに生きたいと最近よく思う。