昨日午後、久しぶりにウォーキングに出る。道は圧雪されて所々ツルツル。もう畑には誰もいない。
最後の登りを終えて処で新しく建てるハウスに引く電源ケーブルを自分で埋設しているマナブ君に会う。マナブ君は菊農家。全部で20棟以上のハウスで菊栽培をやっている。忙しい出荷時期には挨拶だけで済ますが、今日は久しぶりに話し込む。
「百姓ってのは忙しいだけで本当に儲からなくできていて・・・」とぼやいている。「最近は富士見に農業法人が次々に出来ているけどどうなの?」と聞くと「農業法人には国から補助がどんどん出るけれど、個人農家への補助はどんどん厳しくなって・・・」とのこと。「農業法人は次々と休耕地を借りて、ワッと何年か作って、土がダメになりゃ返してしまう。百姓が何十年もかけて作ってきた土を食い荒らして・・・個人農家はそうはいかないから・・・農協や県にいくら言っても目先のことしか考えなくなっていて・・・もう言うのにも疲れた・・・」。「よくファミレスなんかが自社の畑で作った野菜というけれど、その影ではどんどん土地が痩せていて・・・農業法人に何年か勤めてから独立し、新たに農業法人を作って補助金をもらっての繰り返し・・・」とのこと。
最近は富士見に幾つもの農業法人が入ってきている。レタスなどの収穫期にあちこちの二反三反の元休耕地に10名程が集まってあっという間に箱詰めされていくのだが、行き先は農協ではなく自社のファミレスやスーパーである。その農業法人に金を貸したり、休耕地を斡旋しているのが農協であり、百姓から見れば「自分等の為の農協のはずが!」と思うのは当たり前である。
先日忍くんも言っていたが「もう大工なんて居なくなっちゃう。住宅メーカーの家ばかり。電動ドリルと合板用のノコギリだけ・・・木組みも彫れない大工ばかり・・・」と言って嘆いていたが、農家同様のようである。
この先、日本の風景というのがどんどん貧しくなっていくのだろう。