仕事柄ガラスを相手としているので時々指を切る。ザックリ深くなんてことはそうそう無いのであるが、ちょっと油断して作業台の上に落ちているガラスのカケラで、なんてことは時々ある。大抵は舐めてからバンドエイド(作業台の上の常備品)を貼っておしまいであるが、それよりちょっと大きな傷というか、舐めただけではちょっとという場合にはワタクシは昭和の人であるから『赤チン』ことマーキュロクロムを塗る。これは決して『マキロン』ではイカンのである。あんな無色のモノが効くわけないのであって、傷には赤チンじゃなきゃイカンのである。マキロンなんかより傷口を乾燥させるには赤チンの方が上なのである。おまけにあの着色性の良いこと。Yシャツなんぞに付いたら絶対に落ちないし、膝やら肘の真っ赤な赤チンはガキ大将の勲章でもあったのだ。
であるから赤チンは我が家の常備薬であったのであるが、無くなった。箱に書いてある使用期限を見たら2009年と書いてある。25cc入りを使い切るのに20年!ポリ容器に入っているので20年のうちに少しづつ蒸発してきっと濃くなっているに違いない。使用期限を越えたら副作用!なんてことはなく効く!イヤ、絶対に効いている!エライ!
で、町の小さな薬局に行くと「そう言えば昔はありましたね。もう売っていないです!」とのツレナイ返事。マツキヨでは勿論売っていなかった。
昔、製造過程で水銀がどうたらで一時販売禁止?(ワタクシが高校生の頃だったように思う)になったことは覚えているが、その後再び売り出したはずである。ただ、昔の赤チンの方がその後に売り出したのより効いた覚えもある。昔のは塗った部分が乾くと銀色に鈍く光る感があり、より頼もしかったのであるが、その後のは光らなくなったようにも思うが、それでもその後出たマキロンなんかより確実に効いたのである。
で、ネットで探す。ありました!ちゃんとまだ製造していたのである。¥490!早速注文。
ところが笑ったのはその翌日だかに何気なくつけたTVで赤チンを作っている製薬会社というか町工場風の会社での製造過程をやっていたのである。う〜む、あまりにタイムリーなので笑ってしまった。ワタクシのように「傷には赤チンという昭和の世代」は残っていたのである。
昨日、赤チンが届く。50ccも入っているが、昔と違ってポリ容器の細い口にスポンジが嵌っていてそのまま塗れるようにはなっていない。まあ昔のタイプのものではスポンジにバイキンが付いたままで不潔ということなのだろうが、これは絶対不便。一々付属のブラシで塗るなんて。チョチョッと塗れるのが便利だったのに・・・それでも赤チンが手に入って一安心。でも50ccって、使い切るのに何年かかるのやら・・・