申し訳なさと作者冥利

先日、7月5日に予定していた「田舎でJAZZライブ」で、演奏をお願いしていたお二人のミュージシャンに、時期未定延期をお願いする手紙を出してから、ずっと心苦しく、「これで良かったのか」との思いが拭えずにいた。
コロナ自粛が段々解除されつつある中で、実行委員や会場と相談してきたが、まだ「安心して」とは言えず、また昨年を考えると観客の大多数が高齢者などの問題点が指摘されたのだが、一番はコロナに対する恐怖心であった。小さな田舎町であるが故に逆に恐怖心が強く、地元出身者であっても「町で第一号の感染者になったら何を言われるか」という恐怖心が想像以上に強く、迷いに迷った末に延期をお願いしたのである。
今一番辛い目に合っているのが音楽や演劇関係者であり、実行委員の多くもまた自由業や工芸関係であるが故に辛い決定であった。
そんなことからこの間は鬱気味であった。

昨夜は、ランプシェード3個の注文を受けていた、札幌で新しくスープカレーのお店を開業される方から「届きました。もう嬉しくて!」との電話を頂けたことは作者冥利に尽きる言葉であった。
「注文」で物を作るという仕事は、お店に置いて誰か知らぬ人が買ってくれるのとは違い、大抵は何回かお会いしての打ち合わせがあり、例え今回のように遠く離れた方からの注文であってもメールや電話での何回ものやり取りの中で、お客さんの「欲しいという熱意」を直に感じて作り上げるので、結果作品を喜んで下さるお客様の声ほど嬉しいものはないのである。正に作者冥利である・・・

が、また考える。「ライブを本当に延期して良かったのか?」。音楽はやはり生で聴くのと、録音で聴くのとでは大違いである。ライビ延期はコロナのせいであってもコロナだけのせいではなかったのではないか・・・ワタクシ自身の力不足はなかったのか・・・
今朝、演奏をお願いしていたくるみさんから「ご事情お察しします」とのメールを頂く。今月からツアーが始まるとのこと。
もう申し訳なくて・・・

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