先日「水芭蕉」のステンドの取り付けを終える。
アルミサッシ製の玄関上のスペースで、お施主さんの意向でサッシをいじらずに取り付けてほしいとのことで、入っているガラスが梨地ガラスの上に、玄関の庇が大きいので外光が一日中一定しているというか、変化に乏しい。
そこでサッシをいじらずにサッシの内側にステンドを嵌め込むこととなるが、そうすると横長サッシの中心にある幅65mmのアルミの仕切りとサッシの押さえ縁がステンド内に見えてしまう。
そこでステンドを2分割し、黒い額縁状のガラスで囲む事にする。
デザインは抽象・具象色々考えるが、光の入り具合や、この「ガラスの額縁」を考えると具象の方が似合いそうで、また光を考えると微妙な色よりは白系ガラスの方が発色すると考え、またお施主さんが山好きとあって「水芭蕉」に決定する。
在庫しているガラスや、使いたいガラスを海外メーカー(ステンド用の色板ガラスは全海外メーカー製である)のネット・カタログから拾い出すが、昨今の排ガス規制(色ガラスを作るには各種重金属=クロムやカドミウムなどを使うのだが、排ガス規制がうるさくなってガラス・メーカーの統廃合やガラスの種類の削減などが続いている)によって廃盤となったガラスも多く、特に水芭蕉の棒状の「花」の部分のガラス選定は難しく入手に時間を要すがまずまずのガラスを集めることができた。
で、取り付けだが寸法ピッタシでバシッと嵌め込み、黒く塗装した押さえ縁で固定する。
背景の水面に使ったグレー系のニュー・アンティーク・ガラスと空の透明アンティーク・ガラスを通して梨地ガラスがどうしても透けて見え、キャセドラル・ガラスに見えてしまうのがちょっと残念であるが、グレーと透明泡ガラスの対比は狙った通りでありホッとする。また額縁状の黒いガラスも上手くサッシを消してくれたようだ。
それにしてもカメラでステンドを写すとなかなかガラスの表情も色も出ずに何時もがっかりする。一眼レフも持っているのだが、ワタクシの技術じゃコンデジの方がまだマシに写るし・・・カメラ・マニアだったオヤジにちゃんと習っておけば良かったと今更ながらに思うのである。