山椒の実

昔から素麺なる金魚の餌ごとき食べ物は嫌いであるが(冷麦はかろうじて許せるが)、梅雨とは思えぬ暑さの上、昨日ナカガワさんから頂いた「半田素麺」がある。で、昼食に戴くが、美味かった!「三輪そうめん」などとは別物。
ワタクシの頭の中では、前から好きだった「半田うどん」が先に来て、「半田素麺」は素麺と付くだけに食わず嫌いであったようだ。
で、ワタクシは言うのである。「素麺は半田素麺に限る」と。

とバカな事を考えながら半田素麺を戴いていたのだが、「アッ!」と思い出す。ムスメの帰国だか一時帰国に気を取られていて山椒の実を採り忘れていたのである。この辺に自生している山椒の実は例年6月20日前後に採らないと中の実が固くなって、食べた時の歯触りが悪くなるのである。
慌てて身体中に虫除けスプレーをかけてから腰ビクを下げてダリ散歩道に行くが、例年山のようになっている山椒の木が見当たらず、実が生っていない木がひょろりと立っている???
で、その先にあるもう1本の山椒の木の所に行くが、こちらも生っていない???うんにゃである。

ここ数年は以前に大量に仕込んだ「下処理した山椒の実の冷凍」を使っていたので、ダリ散歩道にあるこの沢山の実の生る木から採っていなかったのであるが、山椒の木が「性転換」したのか、はたまた誰かが実が沢山生るこの木を引っこ抜いて行ったのか???

仕方ない、庭のまだあまり大きくない山椒の木から採ることにするが、やはり少々実が入り過ぎている。
まだ幹も細い木だが500gほど採れる。

採ってきた実から「枝」だけ取り除き、「軸」は面倒臭いので付けたままよく洗い、4〜5分煮てから水に1時間ほど浸してアク抜きをする。ザルに揚げてキッチンペーパーで水分を取り除いたのが「下処理した山椒の実」で、冷凍保存しておけば料理に色々使える。
これを使って「山椒の実」の佃煮も作る。醤油と酒でコトコト煮て、最後に味醂を足せば完成である。これさえ作っておけば「昆布の佃煮」に混ぜても良いし、チリメンジャコに混ぜても良いし、鰯と炊いても美味いし。これは冷蔵保存しておく。あとは「粉山椒」用を作る。「下処理した山椒の実」を耐熱皿の上に敷いたキッチンペーパーの上に並べ、電子レンジでチンして乾かすのである。カラカラになるまで何分かづつ様子を見ながら何回もチンするのが面倒臭いが、これを作って冷凍しておけば風味も辛味も結構強いのが出来る。使う分だけミルサーで挽かねばならないが、麻婆豆腐の美味いのが食べられる。鰻でも親子丼にでも遠慮いらずにかけられるし、ハウスだのSBなどよりよっぽど美味い山椒の粉が出来るのである。

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