昼前のこと。
薪割り用の斧を右手に、左手にはクサビ打ち込み用のハンマーを持って玄関ドアを開けたところ、2m程離れたところで「アッ!」と言って引きつった顔で棒立ちになった制服警官が。こちらも「アッ!」である。ビックリしたぁ!
警官は両手に住民台帳を広げて持っていたのだが、いきなり斧とハンマー男が現れたのでそりゃ焦ったことだろうし、こちらも全共闘世代、昔取った杵柄から、制服を着て拳銃を持った人とは相性が悪くて・・・
「イヤ、そのぅ、薪割りしようと思って・・・」に、やっと表情を緩めた60歳くらいの警官。その後お互いちょっと照れてしまって・・・
「あのぅ、富士見交番の移動があったもので・・・今までに住民台帳確認に警官が来たこと無かったですか?」「いや、もう何回か来ていますよ」。警官慌ててページをめくり「あっ、ありました、オクズミさんですね?」「ハイ、そうです」。お互い何となくシドロモドロ。
「ハァ〜、ご職業はステンドグラスをお作りになっているんですか。それで奥様は声楽家ですか。ハハハ、私もかつて警察音楽隊にいまして・・・。吹奏楽の方でしたが・・・」「で、御長男は東京ですか。差し支えなければ御長男の職業は?」「ジャズをやっています」「エッ、楽器は何を?」「サックス吹きです」「それはそれは・・・芸術家一家ですね」「御長女様は?」「オーストラリアに住んでいます」「そうですか、それでは現在こちらは奥様と二人暮らしでよろしいですね」「はい、そうです」。「振り込み詐欺の電話が最近増えていまして。そんな電話はありませんか」「いや、今のところは無いです」「十分にご注意下さい」。
玄関脇のアトリエの窓に掛かったステンドを見て、「これがステンドグラスですか?こんなに近くで見るの初めてで・・・」。しばらくステンドグラスの作り方の説明なんぞ・・・
昨年中野市では猟銃で住民2人と警官2人が殺害される事件もあったし、そりゃ警官も驚いたと思うが、凶器を持って玄関開けるなりの拳銃男にこちらも驚いた!