怒涛の3日間

昨年メルボルンで結婚したムスメと婿殿と、その両親が来日した。
なんせ婿殿にもその両親にも会ったことがないので、東京で会う事となりカミサンと上京する。

11日。高速バスで新宿へ。連休前というのに人だらけだし、インバウンドやらで外国人が多い。昼食を摂り婿殿が予約してくれていた御苑前のホテルに入るが、ここは外国人だらけ。
夕方、ホテル前の居酒屋で婿殿と両親と初対面。婿殿(Need)とはビデオ電話で何回か会ってはいるが生では初対面である。写真で見るより若々しく、とても気さく。父親(Lioyd)はもうすぐ88歳の画家。ウイットに富んだとても人懐っこい人。母親(Liz)は大英勲章を授かっている女優さんで、さすがに威厳があるが、とてもフランクな人。まずはビールで乾杯。お互いプレゼントを交換しあう。30分ほどと忙しくエール交換した後、TAXIで移動して別の居酒屋へ。最初、我々は和式料理屋をと思ったのだが、何でも好きな物を注文できるオーストラリアには無い場所の方が良いとのことで、以前Needが来日した時に楽しかったという居酒屋へ。ムスコも来て、それぞれ飲みたい物、食べたい物を注文しての歓談。英語は普段全く使わない生活であるから、咄嗟に単語が出て来ない。ムスメに通訳してもらいながらであるが、ま、同じ人間だしムスメの親族であるから何となく通じる・・・?両親ともにムスメが可愛くて仕方ない様子に安心する。また婿殿は気さくだし、日本的気の使い方ができる人で、大いに安心する。2時間ほど歓談してお疲れな様子の婿殿一家をホテルに送った後、ムスコとカミサンとホテル近くの喫茶店に入り、久しぶりのムスコとも話す。

12日。今日も東京は暑い。ホテル近くのケムリを吸える喫茶店でカミサンと朝食。その後御苑を散歩しようかと思ったが、ホテルのベッドが合わなかったのか腰が痛くて歩く元気が出ない。このホテル、ワタクシは絶対に泊まらないと以前から決めていたのだが、婿殿がメルボルンで予約してくれていたので、致し方なく泊まったのである。狂信じみた顔付きの夫婦が経営していて、今やこのホテルが日本を席巻しているのだが、インバウンドで更にあちこちに進出しているらしい。ツインのラージ・ベッドの部屋を取っておいてくれたのだが、どう見てもシングルの部屋を無理やりツインに仕立てた狭さ。荷物を置いて置く場所も無いような狭さ。風呂や洗面やトイレも小さな空間に無理やり押し込めた感じ。デスク脇にはこの夫婦の書いた自らの出世本みたいなのがが何冊も。イヤラシイ自己顕示欲!全館禁煙は良いのだが、喫煙スペースがホテルには設置されていないにも関わらず、かの本の表紙にはタバコ片手の筆者には笑った。ベッドは柔らかいのだが、腰が無いというか、どうにも不安定。おかげで腰痛になった次第。

婿殿たちの希望でワタクシの作品が見られる場所に行きたいとの事で、深川の雲光院を午後3時に拝観させてもらうことになっていたので、カミサンと一足早く電車で向かう。連休初日とあって今は人気となった清州白河周辺も結構な人出。久しぶりに雲光院を訪ねる。30数年前に日本建築の設計で有名な故中野甲子男氏の設計で建て替えられたお寺である。
徳川家康の側室阿茶局の菩提寺として1611年に建立された由緒あるお寺で、震災や戦災の後、平成6年に改築したおり、ワタクシのステンドを本堂天井に入れて下さったお寺である。京都に出張していた住職も帰って来て下さり、新しく増築した茶室などを見せてもらう。3時過ぎ、TAXIで婿殿一家もやって来る。本堂では住職が声明(ショウミョウ)をあげて下さる。婿殿一家もこれには感激した様子。
またワタクシの作品を褒めて下さりホッとする。談話室に移り、ここにはワタクシの「外の景色を楽しむステンド」や照明器具があり喜んでくれた様子。お茶や京都の葛切りなどをいただく。しばらくゆっくりさせてもらい、5時過ぎに住職のお見送りを受けて辞去する。なんせお父上は画家であるし、お母上は女優であるからちょっと緊張したが、ワタクシのデザインの意図するところが分かって下さった様子でホッとする。
あの作品は30数年まえの若い頃の作品、削いで削いで表現しようとした頃の物だが、今だったらまたもう少し細かい表現をしたかもしれない・・・ただ年月が経ち、本堂もお庭の木々もステンドも以前より趣が出て、しっくりしたと思った。

一度ホテルに戻ってからホテル近くの居酒屋に入る。前日に続きムスコも来る。婿殿もご両親もとてもフランクな人達で楽しい時間を過ごす。ムスメをとても気遣い、可愛がって下さり感謝。明朝には我々は長野に帰るので今日がご両親とお別れである。今度は我々がメルボルンを訪ねるとしてハグして別れる。
一度解散後、婿殿とムスメ、ムスコともう一軒。ホテル界隈の飲み屋はどこもインバウンド客で溢れている。

13日。婿殿一家は今日は東京観光後、夜はムスコのライブを聴きに行き、その翌日から箱根や京都観光という忙しいスケジュールである。婿殿とムスメは両親を京都観光後に大阪空港まで送り、その後我が家に来る予定。朝、部屋にムスメがやって来て、旅行で必要ない荷物を預かる。
このホテル、チェックアウトが11時ではなく10時!ホテル会員になると11時までというが、誰がそんな会員になるか!さっさとチェックアウトし新宿へ出るが、連休であるから凄い人。ブラブラしたのち、ゆっくり昼食をとってからバスターミナルへと向かう歩道で、後ろから来た変な男に肩をぶつけられ、カミサンは足を踏まれたという。酔っているのか???と思っていると、この男、前から来る女性にわざと肩をぶつけている。カミサンはやめてというが後を追う。歩き方も変である。クスリでもやっていて刃物なんぞを持っていたらマズイので用心して後に続くが、気付いたのか時々こちらを振り返る。目が青く、欧米人との混血みたいな感じ。また前から来る若い女性にわざとぶつかったので「何してる!」と後ろから大声で怒鳴るが無視しようとする。「待て!何してる!」と再度怒鳴ると漸く立ち止まるが目を背ける。「向こうからぶつかった来た」と言うので「後ろから見ているぞ!」と怒鳴ると、おそらく前科でもあるのか足早に立ち去って行った。バスの時間もあり警察に連絡する訳にもいかずで、それ以上あとを追わなかったが嫌な気分となる。
ただそれ以上に怖かったのはあれだけの人混みで周囲の人も突き飛ばされた女性を見ているのに誰も彼も無関心な事。時々いきなり刃物で刺したりするニュースが流れるが、人々が無関心過ぎる。嫌な世の中になったものである。

バスではもう疲れていたし、腰は痛いし、工事渋滞で20数分遅れるしで、クタクタ。4時半過ぎにやっと我が家に辿り着き
夕食は食べに出て、風呂に入ってバタンキュウであった。

ただムスメを大切にしてくれていることに、感謝しまたホッとした。

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