この正月は天気にも恵まれてのんびり過ごした。気温も上がり、八ヶ岳も随分と茶色くなった。ムスコは1日に帰ってきて、3日には戻るはずであったが、バイト先の諸々事情が重なり本日6日午前中に帰った。
2日。ムスメが南側の川向こうを指して「あっ、鹿だ」という。5〜6頭の群れがのんびり下って行った。昨日同様、「正月早々、午年に鹿だから馬鹿だよな」などと言っていたら北側の川向こうにも立派な角を生やしたやはり5〜6頭の群れがいる。今年はどうも本当に『馬鹿』な年になりそうである。
ムスコは浪人時代に毎日通った町の図書館に頼まれた2月のロビー・コンサートの練習に、高校時代の同級生のリナさんの家に行く。リナさんがピアノの伴奏をしてくれるとのこと。
4日夜、チヨヘイさんとタカシさんがムスコに会いたいと酒をぶら下げて来て下さる。チヨヘイさんは年末に、テナー・サックス:チヨヘイさん、ピアノ:深澤芳美さん、ドラム:一麿さん(チヨヘイさんの息子)、ベース:一麿奥様で『Good By』を自分の通夜にかけて欲しいと録音、CD化したのである。いかにもチヨヘイさんらしいサックスの音色である。
残り物のおせちで楽しく飲み、酔っぱらったムスコは「俺、吐きそう」と言いながら吹いていた。
5日。買い物がてら、諏訪の街に下りる。どの店も空いている。帰りに茅野のBook Offに寄るが、20%引きだとかでここだけは混雑していた。
夜、若い頃に画家を目指していたタカシさんが使っていたというデッサン用の石膏像やイーゼルなどを奥様と共にムスメに届けて下さる。アリガトウゴザイマス。
でもって、ムスコがいた他の時間に何をしていたかというと、我が家の正月は博打に明け暮れることとなったのである。と言っても『麻雀』でも『花札』でもなく『7ブリッジ』のインフレ・ルールである。で結果はと言えば、相変わらずのアホ・ムスコの一人負けである。1位は一回もなく、良くて極々たまの2位。時々リーチを掛けて成功するも、直ぐに大きく振り込んでは毎回ほぼ最下位となる。思考回路にでも構造上の欠陥があるとしか思えないのだが、製造責任はワタクシにもあるから余り言えない。ムスメは終始ポーカー・フェースである。表情も変えずに淡々としているので皆油断していると、いきなり「それロンかなぁ」と自信なさそうに呟く。ひょっとすると博才が一番あるのはムスメかもしれぬ。
かくして『馬鹿』な年が始まったのである。