取扱説明書は・・・

昔、ラジオ少年だった。小学校の頃から小遣いを貯めては大きなボストンバッグを提げて秋葉原に部品を買いに行った。キットなんぞではなく、配線図を読み、アルミのシャーシーに穴を開けトランスや真空管、バリコンを配して超再生だの高1中2(高周波1段中間周波数2段)だの、ラジオやアマチュア無線機を作っていた。トランジスタを使うようになったのは中学に入ってからだったと思う。そんなガキだったので、家の電化製品の取説を読みながら色々といじったり分解したりするのが楽しみであったのだが、最近はトント駄目である。

先日買ったカメラ、値段から言うと『おもちゃカメラ』のくせに色々と設定が変えられる。従って取説が分厚い。これが前々期高齢者にはこたえるのである。あっちのページ、こっちのページと読むうちにこんがらがって来る。面倒臭くなる。で、結局『AUTO』で撮ることになるのだが、イマイチ満足は出来ない。

対岸に久しぶりに鹿が顔を出す。早速20倍ズームで撮るが老人は手が震えるのであって・・・IMG_1095(変換後)IMG_1117(変換後)

昨日はカミサンが『ピアノ伴奏や歌を録音してCDに出来ないものか」と言う。「そりゃPCMレコーダーを使えば直ぐにCDに焼ける」と言うと、欲しいとのことである。で、考える。元々取説なんぞはハナから読まないカミサンのことであるからなるべくシンプルな方が良かろう。が、どんなにシンプルな機械であろうと、生憎その上を行くシンプル過ぎるオツムのカミサンにとっては結局ブラック・ボックスである。ここはムスコに押しつけるのが良かろうと、ムスコが使っているのと同じ機種の物を注文する。サイワイにしてムスコが近々帰省するので「使い方はムスコに習え」と宣言しつつ、届いたTASCAMのPCMレコーダーで遊んでみる。TASCAMはワタクシがずっと昔に少々草鞋を脱いだ会社である。取説はカメラなどに較べればずっと薄いのであるから、エライ。さすがワタクシのいた会社である・・・のだが・・・やっぱり・・・分からぬのである・・・PICT0015(変換後)どうもワタクシのオツムも上に生えている飾り物同様に年々シンプルになってきているのである。困ったことである。

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