昨朝は-6℃まで下がる。朝起きてきたらうっすらと白くなっていた。いよいよ冬である。まだ薪割も終えぬうちに困ったことである。
一昨日で窯焚きの半分を終える。まだ後6回焚かねばならぬが、夏と違ってアトリエが暖まるので苦にならないが。カットやルーター掛けも全て終えているので、窯焚きと平行していよいよ銅のテープ巻きである。この作業、5.5mm幅のテープの中心に厚みが2.5〜3.0mm程度のガラスの中心を目分量できちんと合わせて貼り付け、テープをガラスの両面に折り返して貼り付けねばならない。直線なら簡単だが複雑な曲線にカットしたガラスに綺麗に貼り付けるというのは慣れないと結構難しい。折り返したテープがガラスの裏表均等幅にテープが貼れていないと見映えにも強度にも影響する。
そう言えば昔、新婚時代にカミサンに手伝わせたこともあるが、彼女がこいう繊細な作業に不的確であるという重大なる真実を知り「あぁ、早まった!」と後悔したのものである・・・
で、この作業であるが『肩が凝る』『目が疲れる』『飽きる』『あぁ、内職仕事!』であって、髭面の男が真剣に取り組むにしてはどうもセコイ作業である。そう、人様には見られたくない何となくいじましい作業なのである。
元々ヨーロッパで発祥したステンド・グラスはガラスを鉛のレールで継いで作るのだが、そうすると小さなガラス・ピースを組み合わせての具象的デザインいくら細いレールを使っても表現や強度的問題がある。そこで、アメリカのティファニーが新しい技法としてこの銅テープによる製作方を考えたようで、ティファニー・メソッドなどとも呼ばれているのである。花柄やトンボがデザインされたティファニー・ランプなどである。世のオクサマガタはティファニー・ランプが特にお好きなようで時々「オタクはお作りにならないんですか?」と聞かれるが「あんなランプの下でお茶漬けが食えるか!」とお答えしている。ま、あの色彩感覚もワタクシには合わぬし、何千ピースもテープを巻くのがもっと性に合わないのであるが・・・
で、この作業、一心不乱にテープを巻きとはいかない。とにかく疲れる・飽きる。嫌になる。音楽ガンガンにしたり、テレビでアホになったり、ウィスキーでアル中になったり?、頭の中は「あぁ、早く今日一日の作業を終えて風呂に入ってマッサージ機に座りたい!」。ツライのである。