八ヶ岳の紅葉もだいぶんと下りてきた。緑々しているのは堆肥用の麦で、この後トラクターで鋤きこむのである。
昨夜ムスメから電話がある。平日でバイトが休みだったムスメが東京都美術館でやっている『モネ展』に行って素晴らしかったが、ただ混雑していて「美術館に行って人間の汚さを見た」とのこと。入場までの40分待ちの間に横入りするオバサンや、入場してからも前が動かないので立ち止まっていると後ろからグイグイ押してくるので、「まだ前が動かないのだから」とたしなめると舌打ちするオバサン等々で疲れたという。
日本人というのは美術展や展覧会が大好きなようである。特に中高年のオバサンが大好きなようでる。マッコト教養が高くていらっしゃる。そのくせゆっくり観る、楽しもうとは思っていらっしゃらないように見受ける。「ガヤガヤ」「ぎゃーぎゃー」、果ては「これ幾らくらい?」・・・立ち止まってゆっくり見ようものなら、後ろから蹴飛ばされされそうである。説明文なんてとてもじゃないけれど読んでいられない。エスカレーターである。
全てのオバサンがそうだとは思わないが、言っちゃ悪いが決して作品を観に来たとは思えない。ありゃ『行った』という満足感或いは優越感、否、暇潰しの為だけに集まっているとしか・・・。入場料も65歳以上は大抵割引があり、一般成人の2/3かそれ以下の値段で入れるのであるから敵わない。ま、そういう教養の高くていらっしゃるオバサン達によって美術館が維持されているのかもしれないのであるが、ワタクシのような混雑に慣れない田舎者はなかなか近づけないのである。
けだし『美術館に行って人間の汚さを見た』はなかなかの名言である。