相変わらずカットの日々。
特に具象デザインの場合、色の濃淡や流れのある元板のガラスを見て、大雑把にこれらのピースはこれくらいの濃さの部分を、こちらはもう少し薄い色と決めておいても、1枚1枚のピースをカットするにはこの部分は縦の流れでもう少し濃い部分とか、横の流れでもう少し薄い色でとか考えながらカットしなければならずに時間がかかる。
立ちっぱなしの作業で殆ど動かないものだから膝にくる。
で、達磨になってはイカンとウォーキングに。
田圃では昨日今日と田植えも始まっている。牧草を刈っている人もいる。
この牧草刈であるが、今はトラクターがきちんと整列するように刈る。次にはアタッチメントを替えたトラクターで筒状に固く丸めていく。これが面白い。一直線に刈られた牧草の上をトラクターが走ると、後ろから筒状に丸められた牧草がポトンと出てくるのである。まるで昆虫がフンをしているようである。
続いて別のトラクターがその筒状のフンを拾い上げ、白いビニールでクルクルと梱包してゆくのである。見ていて飽きない。
かつては草刈機で刈った牧草を巨大なフォークを持った人がトラックの荷台に放り上げていた。もう少し後になってからは刈った牧草の上を走るトラクターから立方体にまとめられた牧草の圧縮ブロックがポトリポトリと吐き出されていて、それを人力でトラックに放り上げていたのだが、このバイトはきつかった。それが今や梱包まで機械化しているのである。一体ああいうトラクターは幾らするのだろう。きっと凄い借金をするのだろうと他人事ながら考える。
それに比べればワタクシの仕事道具なんぞは中世からほとんど進化していない。
40年ほど前にこの仕事を始めたきっかけの一つは「設備投資がかからない!」であった。
ガラス切りと半田コテとヤットコで始められたのである。それ以後にしたって買ったのはガラスの切断面を削るルーターだけで、たまに使う焼付け用の電気窯やダイヤモンドソーなんてものは友人のステンド教室から、お亡くなりなった生徒の中古を頂いただけなのである。ま、使用するガラスは輸入物で高いし、鉛線や半田も結構高いのだが。