コロナ感染者は連日2万人越え。東京では毎日のように5000人越え。タヌキ顔の都知事は「災害級」とか言い出しているが「人災」そのもの。自宅療養者で血中酸素濃度が70代になってやっと酸素吸入機が届く異常な事態。「安心・安全」とは誰の言葉?
話し変わって、先日病院で以前患ったガンの定期検査でエコーを受けた。エコー検査は予約時間前より早く診てもらえ他のだが、その後の診察で待たされた。予約時間から1時間待っても呼ばれない。ま、お盆明けの月曜日であるから仕方ないと本を読んでいたのだが、本の選定を間違えた。
ちょうど読みかけの本が政治哲学関係の本で、かなり集中しないと読めない本であったから、本棚から気楽に読めるエッセイをと思って持って行ったのが『延長戦に入りました』 奥田英朗著。奥田英朗は大好きな作家であり、文庫本化された彼の本はほとんど読んでいる。この『延長戦に入りました』も一度読んでいるのだが、気楽に読めるし、つまらなかった東京オリンピックを振り返って読むにはちょうど良いと思ったのだが・・・
で、失敗!
「ククク!」、「ケケケ!」とオリンピックを振り返りながら、思わず食いしばった口から声が漏れる。
だって小見出しの「あいまいな日本と優勢勝ち」「レスリングのタイツはなぜ乳首をだすのか」「スポーツのがに股と女子選手の葛藤」「ボブスレーの前から2番目の選手は何をする人なのか?」「タイガー・ウッズと大顔の悲哀」etc・etc。
サイワイ広い待合室の一番後ろの壁際のベンチ、それもコロナの影響でみな離れて座っているので気付かれなかったと思うのだが、完全に本の選定を誤った。
以前、割とよく我が家によく来ていたカミさんの先輩にあたるさる女史。若い頃全く運動とは無縁だったようだが、70過ぎてルールも知らないのに、やれサッカーだのラグビーだのに熱狂しはじめ、ワタクシなんぞが「ナニ、運動部、特に◯◯◯◯部なんて馬鹿ばっかり」と言ったものだから、後日カミサンに電話してきて、「もう絶交!」とノタマウタ女子がいたが、こんな本を読んだら絶対に「奥田英朗」の他の小説なんて読まないだろうとなと思い出す。
ただ奥田英朗氏のために補足しておくと、氏はあとがきで自ら書いているが、中学・高校と剣道や柔道部に所属していて、スポーツ大好き人間なのである。その上で要するに茶々を入れているのである。もともと氏は社会派サスペンス作家と呼ばれ、『最悪』『邪魔』などを書くかと思えば『イン・ザ・プール』など、なんともとぼけた主人公が出てくる小説も書き、氏の頭の中は一体どうなっているのだろうといつも期待して次作を待っているのである。
このコロナ禍、笑いたい方は是非一読を!
(ついでに書いておくと、ワタクシも中学と高校1年で足を傷めて山岳部に移るまではバスケット命の生活。体育館と部室のすえた汗の臭いで育ったのです。こういう経験がないとこの本はちょっと理解できないか?)